マルン換気とは?

ほぼ全ての感染症は病原体が「目・鼻・口」より侵入していることから、感染しているのは普段露出している粘膜からということになり、感染の入口は顔面へ集中していることが分かります。

トイレの換気をする上で、感染リスクの高い顔面に菌やウイルス等の病原体を近づけさせないことが望ましいという観点から生み出されたのが、このマルン換気です。

トイレ内の高い位置(主に天井)に給気口(トイレ内に空気が入ってくる入口)があり、給気口内部に除菌効果の高いオゾンが発生するオゾン装置を設置することによって、身体に害のない低濃度オゾンを含んだ新鮮な空気が給気口からトイレ内に入って、それが顔面を通り、壁や便器なども除菌しながら、足下にある排気口(空気を出す出口)から屋外に出ていくというのがマルン換気という新しい換気システムの全体構造になります。

この構造によって、トイレ内は常に清潔で衛生的な空間を保てることになります。

トイレの衛生環境

私たちが暮らすこの日本という国は、「衛生的なトイレ」を使うことが出来るという点において、かなり恵まれた国であると言えます。

世界では約40億人もの人々が「衛生的なトイレ」を使用することが出来なかったり、劣悪な排泄環境によって引き起こされる下痢などの症状で命を落としている子供が多数いるという現実を考えても、日本のトイレはこれまで人々の健康を保ち、感染症の拡大を予防する役割を果たしてきたと言っても過言ではないでしょう。

これまでであれば、マルン換気のような大げさな換気システムは必要なかったかもしれません。

ところが、日本の「衛生的なトイレ」が、人々の健康を保ち、感染症の拡大を予防することが、出来ないかもしれないという状況に陥ってしまいました。

2020年に世界的に広まった新型コロナウイルスの影響です。

従来の換気システムでは感染症対策にならない!

コロナ禍では、密を避けようということが、盛んに叫ばれています。

しかし、トイレは密室であり、換気扇が無ければ空気も停滞してしまいます。

トイレは密室であるが故に、コロナ禍では、感染の可能性の高い、安心ではない場所となってしまいました。

マルン換気と従来の換気システムの決定的な違い

従来の換気システムの欠点

換気扇がトイレに付いていれば、空気が停滞することはありません。

しかし、従来の換気システムというのは、足下から給気して主に天井などの高い場所で排気するというのが基本となっています。

つまり、下から上へというのが一連の空気の流れになっているシステムということです。

このシステムだと、トイレ下部の給気口から入ってきた外気が、トイレ内に存在している菌やウイルス等の病原体、便器や壁に付着している汚れなどと一緒になって、感染の入口となっている顔面を通過し、天井の排気口から屋外へ出ていくので、換気をすることが逆に感染リスクを高めることになってしまっています。

マルン換気という感染症対策のために設計された換気システム

一方、マルン換気というのは従来の換気システムとは真逆の、上から下へというのが一連の空気の流れとなっており、除菌効果の高いオゾン(オゾンは空気より重いため天井で発生したオゾンは降下する)を発生させて、トイレ内を除菌しながら下へ降りていき、トイレ下部に設置された排気口から出ていくので、感染症対策としての効果が大いに期待できます。

臭気対策として考えてみても、トイレ内の臭気のほとんどが空気より重く、下の方に溜まりやすいという性質を持っているので、トイレ下部に排気口を設置しているというのは、理にかなっているシステムだと言えます。

マルン換気は、今後どんな感染症に見舞われても、人々の健康を保ち、感染症の拡大を予防する衛生的なトイレとして、私たちに安心と安全を提供するという役割を果たしてくれる次世代型換気システムです。

「マルン換気」と「従来の換気システム」の図を比較

マルン換気

従来の換気システム

歯科医院の感染症対策としてのマルン換気

歯科医院の業務に携わっているあなたは、口内のにある歯を治療することがメイン業務であることから、感染症の入口の一つとなっている口の中と接触することから逃れることが出来ないため、世間一般の方々よりも感染症対策への意識が高いことでしょう。

以前、「歯科治療を通じて患者が新型コロナウイルスに感染した例は1件も無い」日本歯科医師会から発表されたこともあるので、安心して治療を行うことが出来る部分もあるとは思います。

しかしながら、歯科医院内で感染する可能性が無くなった訳ではありません。

意識の高いあなたですから、院内の感染症対策には力を入れていることは想像がつきますが、意外と盲点になっているのがトイレではないでしょうか。

上記でも説明した通り、通常の換気システムでは感染症対策とはなりません。

歯科医院内でも一番の密室と言ってもいいトイレまでしっかり対策をしてこそ、万全の感染症対策となりえます。

今でしたら、補助金等を利用して、負担額を少なくマルン換気を導入することも可能になっています。

お問い合わせいただければ、些細なご相談でも親身になって対応させていただきます。

この機会に、マルン換気の導入をご検討いただけたら幸いです。